director's voice

たくまポタリーさん(陶芸)

たくまポタリーさんは、石川県で作陶する方。
「工房からの風」へは、二回目の出展です。

釉薬や土を変えて白の表情も豊かな器や、つややかな飴釉(あめゆう)、
口べりに茶の筋を引いた皮クジラと呼ばれる意匠の器など、
日々の器に定評のある作家です。

Q
たくまポタリーさんは、「工房からの風」にどのような作品を出品されますか?

A
生活の器を色々持っていきます。
ご飯茶碗やお皿色々、鉢や花活けなど。

前回出展から1000日あまり。
”自分の真ん中にあるもの”に向き合い続けると、
磨いていきたいもの、手放していいもの、努力しなければいけないこと、
自分のものにしなくてもいいことがわかりやすくなって、
静かな気持ちで制作を続けてこれたような気がします。

それと同時に、”自分の真ん中にあるもの”と作品がちゃんとつながるように、”
もっと使いやすくなきゃ”、”もっと暮らしに馴染むように”、”もっと情緒があればなぁ”・・・
と、たくさんの”もっと”があふれ続け、一窯ごとに探り探り制作していたら、
あっという間に今年の工房からの風の直前です。

器制作業として、しっかりとした”定番”を作れるようにと励んでいるけれど、
天然原料であることや、サイズやフォルムの改良、窯の具合など、
様々な理由により、作品は常に流動的です。

工房からの風の二日間、今年の収穫をたくさんの方と分かち合えたら・・・と思います。

たくまポタリーと、工房名での出展ですが、制作されているのは、ゆうこさんおひとり。
「器制作業」と、明言されるように、作家というよりは、使う道具を作る、
という気持ちが前面にあるように思います。

その作り出すものへの責任感のような思いは、静かで美しいなあと、
やりとりをしながらいつも感じます。
私見ですが、皮革の大濱由惠さんや、クッキー・ジャムのn*cafeさんの制作姿勢と、
とても響くような・・・。
いずれの方も、働き者で、誠実なお仕事ぶり。
(そして、素がお茶目さんです!)

Q
たくまポタリーさんにとって、「工房からの風」って、どんな風ですか?

A
3年前と同じく、”工房からの風”に吹かれることによって、
自分の仕事の輪郭がはっきりするような・・・そんな風です。

一方で、自分が今立っている足元から、ふわっと巻き起こり、
思いがけない景色を見せてくれる風、のような気もします。
綿毛や種をとばす、あの風。


「工房からの風」という場、機会を長く大切にしてくださる方は、
強風というより、ふわっと感じられる方が多いような気がします。
直後の感想よりも、じわじわと寄せてくるような風や波。
たくまさんも3年の間、工房の、心のどこかにそよそよとわたる風を生かして制作を続け、
波を生んでこられたのですね。
その波に乗って、ふわっと、どんな器が生まれているのでしょうか。

Q
たくまさんは、小学生のころ、何になりたかったのでしょうか?

A
サーカスの空中ブランコの人、だったかなぁ・・・。

えっ!
ちょっと、びっくりです。
イメージと・・・ ・・・

そんなギャップ?のあるたくまポタリーさんのホームページをご案内しましょう。 → 

出展場所は、モニュメント周り。
陶磁器のJUNIOさんのお隣です。
このゾーン、特に器の選び応えがありますよ。